HOME 「地球交響曲」公式ガイド 第四番 ひとコマスポンサー プロジェクト
● 賛同者100人からのメッセージ  | ● ひとコマスポンサーリスト  | ● ひとコマスポンサーからのメッセージ100


第一番第二番 第三番第五番
第四番ひとコマスポンサーの受付は終了しています。

●呼びかけ

もし、母なる星地球が本当に生きている一つの生命体であるとするなら、我々人類はその“心”すなわち“想像力”を担っている存在なのかも知れない。だとすれば危機が叫ばれるこの地球の未来も又我々人類の“心”の在り方に依って決まってくるのではないか。そんな漠然とした直感から1989年に制作を開始した映画「地球交響曲」は、第一番の上映開始以来、第三番まで完成させる事ができました。
そして、本年、西暦2000年より、いよいよ「地球交響曲第四番」を始動させます。
 できますれば、21世紀最初の年、2001年中に完成させて世に問いたい、というのが今の私の強い願いです。
「21世紀に生まれ育つ子どもたちのために」というのが「第四番」のヴィジョンです。
出演者についても、今、刻々と決まりつつあります。
 そしてもう一つ、21世紀最初の「地球交響曲」には大きな夢があります。
21世紀の地球交響曲は、「共に感ずるシンフォニーから共に奏でるシンフォニーへ」という夢です。
 ご承知のように、「地球交響曲」は全国の観客の自然発生的な自主上映活動によってここまで拡がってきました。全国150万人を越える多種多様な人々が、ただ「映画の感動を分かち合いたい」という一点に於いて、共感し、行動して下さった結果 が今の「地球交響曲」の姿です。この動きには、21世紀の地球市民社会の在り方を予感させるナニかがあると私は思います。
この予感を現実化する第一歩として「地球交響曲第四番」の「ひとコマスポンサー」プロジェクトを始めたいのです。
 ご存じかもしれませんが、映画のフィルムには1秒間に24枚のコマ(カット)があります。そのひとコマ、ひとコマは、一見、静止したスチール写 真のようですが、それぞれが微妙に少しずつ異なり、ひとつとして同じものはありません。
それぞれのコマが繋がり、思いがけない変化や展開をしながら動き始めたとき、そこに映画として全く新しい世界が創造されてゆくのです。
 その中のたったひとコマが欠けても、映画としての印象が大きく変わります。だから私はひとコマ、1/24秒の違いにも拘る映画づくりを続けてきたのです。21世紀の最初の「地球交響曲第四番」では、この貴重なひとコマ、ひとコマを皆様方おひとりおひとりに担っていただきたいのです。
 この「ひとコマスポンサー」の証として、「第四番」の完成プリントから、ひとコマずつを切り出し、このそれぞれに違う、世界にたった一つしかないあなたのひとコマを、素敵な記念品にしてプレゼントさせていただきます。
 このひとコマ、ひとコマが全て繋がったとき、「地球交響曲第四番」は、素晴らしいシンフォニーとなって、21世紀の地球に奏でられ始めるのです。
21世紀最初の「地球交響曲第四番」を“共に奏でて下さい”

映画監督 龍村 仁



龍村 仁監督「ひとコマスポンサー運動を語る」

21世紀の市民運動の有り様を予感させる「ひとコマスポンサー運動」もいよいよ大詰めを迎えつつあります。スポンサーの皆さまから寄せられたご質問をもとに、龍村監督にお話しを伺いました。
− 今、ひとコマは、どれぐらい、集まっているのですか?

監督:2001年3月末現在、7,000口です。

− スポンサーの方のなかには、「記念の商品はいらない。まるごと映画制作に使ってほしい」という意見も聞かれますが…。
監督:お気持ちとしては、非常に嬉しいし、ありがたいと思います。けれど、今の経済や法律の仕組みのなかでは、映画を創るという"商業的行為"は、人々の善意の寄付やチャリティーでは作れないんです。もし2億円かかる映画制作費を寄付金として集めるとなると、その2分の1は税金にとられてしまう…。「映画制作のためにお金を出したい」という皆さんの"志し"が、逆に活かされなくなってしまうんです。
 この「ひとコマ運動」を実現するために、一年近くの準備期間、弁護士や会計士等の方々と綿密な話し合いを続けて来ました。純粋にガイアを応援したいという方のなかには、「1万円で商品を買う」という形式に戸惑われる方もいるかもしれませんが、この皆さまの"志し"に添いながら、世の中の経済制度にフィットする方法はないかと考え抜いたのが、今のひとコマ運動の形なんです。すなわち、「第四番」完成フィルムの「ひとコマ」を加工した記念品と、台本、メイキングビデオ、この3つの記念商品を前もって予約して買っていただくという方式です。

− フェリシモが「ひとコマスポンサー」事務局となっているのは、なぜですか?
監督:今、お話ししたとおり、"志し"はどうあれ、ひとコマ運動の現実的な処理の仕組みは、商品の予約販売なんですね。そこで通販事業を展開している関係上、この種の事務処理能力があり、ガイアの古くからの仲間であり理解者であるフェリシモに事務局をお願いしたわけです。

− 「1万円は高すぎる」という声もあるようですが…。
監督:「第四番」制作には最低2億ものお金がかかります。1万円は、ギリギリの線、こうした運動を行う際、基準を設けることはやむを得ないことを理解してほしいと思います。
 ただ、僕の生き方としていつも思うことは、基準や制約というのは、"志し"と離れるものではないということです。逆に言うと、基準があることによって、何か新しいものが生まれて来る。たとえば映画制作そのものにしても、お金や天候、相手の条件と、常にものすごい制約があるんだけど、だからこそ、この志しをいかに実現させるかという姿勢で立ち向かえるわけです。制約に支配されるのではなく、制約があるからこそ、工夫とか創造とか、全く新しいクリエーションが可能になる、それこそが"ガイア"なのだと思います。 1,000円しか出せないという方のために300円の記念品を用意することはできないけれど、たとえば10人の方で1つのひとコマを集めて下さることは嬉しい。ひとコマ運動は、事務局なりが全て主導するものではなく、小さなひとりひとりの個人全てが主体となる活動でありたいと考えています。

− 「大口スポンサー制度」について教えていただけますか?
監督:「ひとコマスポンサー」とともに、1口50万円以上で企業・団体の協力を募っています。こうした企業等の参加についてはいろいろなご意見もあるかと思うのですが、僕の基本的な考え方として"生命ある活動は多様である"ということが非常に重要だと思うのです。異質なものをただ排除するのではなく、個々の多様性を維持することで、むしろ、全体としてはよりダイナミックに活性化しうるものだと思います。

− 監督が「ひとコマ運動」をやろうと思い立った動機は、何ですか?
監督:動機はきわめてシンプルです。なぜ「地球交響曲」が第三番まで完成できたかを考えれば、この映画の本当の意味でのスポンサーは、一番も二番も三番もこの映画を観に来てくださったひとりひとりの観客であったというのが、結果としての事実だと思います。けれど、第三番までの映画の著作財産権というものは、資金を投資して下さった企業のもの、ということになります。これは良い悪いではなく、今の経済システムでは当然のことでありました。
 しかし、このような経済的な仕組みと実態とのズレが、否応もなく存在したのが20世紀の形であったとすれば、21世紀は、本来の構造に戻したい。映画に心から感動し賛同してくれた観客達によって、映画が創れるのだという本来の形に行くべきだと思ったんです。もっとおおげさな言い方をすれば、21世紀的な市民運動や社会の活動のあり方そのものが、この運動に象徴されているように思っています。

− 監督がイメージする"21世紀の市民運動"とはどのようなものでしょうか?
監督:20世紀は、頭だけの構造で無理矢理走って来た時代でした。何か大きな事柄や事業をやろうとすれば、必ず三角形的な組織構造−トップがいて下部組織があるような−が基本にあり、その組織が中心となって行わざるを得なかった。いわば地球の意識の未発達状態であったと思います。21世紀は、何の組織も資本もない、たったひとりの個人であっても、その人が本当に志しや魂の力を核として何かをやろうと欲し、それが人の心を動かせるとすれば、多種多様な人達が瞬時に結びついて現実化してしまう、そういう形での市民運動や、他の必要な活動が起こる時代になると思います。中心点やトップが決まった形であるのではなく、その都度、中心点が変わるようなね。
 現実的に大きな事柄を動かすためには、ただ志しがあるだけではダメで、現実を処理するきわめてプロフェッショナルな能力のあるネットワークが必要です。だけど、それは組織の中に常に保有されているようなものではなく、ある時、ある人たちがひとつの事柄に向かったとき、パッと瞬間に結びつくような柔らかなネットワークになると思います。
 僕は、別に未来予測をしているのではなく、これは、生命や命がすこやかに育むときのやり方なんですよ。頭が全ての命令器官ではなく、部分のいろんなところが、その都度、必要な中心発信源となっている。それが、生命・自然界の基本的な機構なんですね。今、インターネットや交通がめざましい進歩を続けている理由は、生命体が自然にやっている形に、人間社会全体が近づいて来ているということなのだと思います。
 20世紀最後の10年に起こったガイアの自主上映活動も、まさに、その予兆であったんですね。誰に指示されたわけでもなく、心のつながりから生まれた活動という意味で、それは既に始まっていた。この、経済のシステムのなかでゆがんでしまったものを本来の形に戻していくということを、より具体的に現実的にやって行こうというのが、「ひとコマ運動」の狙いでもあるんです。

− ひとコマの締切りまで、あと4ヶ月余りです。監督の手応えはいかがですか?
監督:現実的な目標には、まだまだなのですが、全く心配してないです。(笑)心配ばっかりなんだけど、心配してない。なぜかというと、人間の根底的な"魂"というもののなかには、どんな人にも同じものが存在する、ということへのゆるぎない信頼がある・・。僕は、それをわくわくしながら感じているんです。ただ、他の人達が同じようにわくわくしてダイナミックに動き出すためには、もう少し工夫が必要なのだろうとは思います。その人が志しを持たないというのではなく、動き出すための何かが必要なんですね。
 8月までという期限も1つの制約です。変な言い方だけど、あとで「しまった!ひとコマに入っておけばよかった」という人も出て来るのではないかと思います。(笑)ようやく2月に全ての撮影が終わり、編集に入ったところですが、間違いなく素晴らしい映画になります。早くこの素敵さを知ってもらうためには、やはり映像を観ていただくのが一番だと思い、予告編を作成しました。今後、みなさんがこの予告編を使ってひとコマや「第四番」を拡めていただければと思います。映像に触れることで何かを感じて、"共に奏でよう"という仲間がひとりでも多く集まってくださればと願っています。

2001年4月インタビュー

Copyright Jin Tatsumura Office 2005