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●「地球交響曲」を共に奏でる仲間たち

松居和さん(音楽プロデューサー・尺八奏者)


ガイアシンフォニーの上映会に誘ってくれたのは、外務省北米一課の山田君でした。私にとって偶然とはいえ、その時一番求めていた、人生の転機になるような鮮烈な出会いとなりました。
音楽を作りコンサートをやり、教育の問題で本を書き、語ることでいままでやって来た私にとって、言葉と、音楽と、映像が、共に一体となって語り合うガイアシンフォニーは、見つめながら、そうだ、これなんだ、と溜め息が出るような作品でした。私はその時、四番と、五番を見ました。
一人の人間が語る、ということは、時として様々な分野を融合駆使した表現形式よりもはるかに雄弁で、心に伝わってきます。それは、一人の人間が本来宇宙そのものといって良いくらい深いことの証明だと思います。
人生には、あの先生の忠告、あの叔父さんの一言、あの時の友だちとの会話など、人間の心が、その言葉の意味に重なって、聞いた人の人生に記念碑のように立つことがあります。人間はその言葉以上に、その言葉を発した人の「心持ち」に強く感動するのです。その心の触れ合いの瞬間が、宇宙に残るのです。そのことを思い出させてくれたのがガイアシンフォニーでした。
「一人の人間」、出発点はそこなのです。
そして、人間は「出会う」のです。
一人の人間が発する言葉に、一見関連性のないような映像が加わります。それは、語り手の目線でしょうか。それとも聴き手の目線なのでしょうか。このあたりが私の好きな所なのです。人間たちの魂の出会う場所、そんな感じがするのです。
人間の目線は時々遠くを眺め、宙にさまよい、知らず知らずのうちに、魂を進化させてきたのだなあ、とそんなことを思うのです。
音楽が加わります。ガイアシンフォニーでプレゼンテーションされている「何か」は、その時、はっきり時空を超える。人々の目線を、次元を超えた遠くに、意識的に誘います。
選曲も龍村監督がやっている、と知った時、「私もこういうものを作りたい」と思いました。そして一人でビデオカメラを持ってインドに向かいました。
ガイアシンフォニーで語られているメッセージを、世界中全ての中学生、高校生に伝えたい、と私は思いました。まず、ギタリストのジョン・マクラフリンに連絡をとりました。そして、音楽を通じて培った人脈の中で、誰が同じ思いを持ってくれるか、考えました。すると、私のまわりには結構「見ないうちからのガイアシンフォニーのファン」と思える人たちがいるのです。そう感じることが私には嬉しいし、出発点です。まだ間に合うかもしれない。
出発点に立つ、ということは、いつでも気持ちの良いものなのです。
(2005年3月)

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