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※「チベット砂曼荼羅の世界」添付資料



【ダライ・ラマ法王 14世】

ダライ・ラマ法王 14世テンジン・ギャツォは、チベット民族の国家的、精神的指導者の地位に就かれています。チベット北東部のタクツェルという村落で、1935年7月6日、自作農を営む一家に誕生後、ラモ・ドンドゥップと命名され、2歳の時に、ダライ・ラマ法王13世、トゥプテン・ギャツォの転生者であるとの認定を受けられました。
ダライ・ラマとはモンゴルの称号で「大海」を意味し、歴代の転生者は、慈悲の観音菩薩、チェンレンシの化身とされます。観音菩薩は、悟りを得ても涅槃に入らず衆生を救済するため転生することを誓願された存在、とされています。

【砂曼荼羅】

今回制作されるのは、観音菩薩の砂曼荼羅です。 1,5平方メートルに及ぶ砂曼荼羅が、4人の僧によって9日間かけて作られます。2001年広島・大聖院で行われた観音菩薩砂曼荼羅の制作によれば、僧侶たちは曼荼羅を制作しているときは、例え自らは一介の僧侶であっても、一切衆生を救済するという誓いをたてた観音菩薩となり、自分自身の姿を描いていくとあります。

まず中心に本尊である観音菩薩を蓮華で象徴して描き、蓮華の東西南北に花びらが描かれます。この花びらは観音菩薩の手を意味し、 それゆえに観音菩薩の持ち物である法輪や摩尼などが描かれていきます。 本尊観音菩薩が描き終わったら観音菩薩の宮殿を制作し、宮殿の四方の壁に各種の供物、灯明、線香なども描かれます。 更にその外側に太陽や月や惑星が描かれていきます。

曼荼羅の円という形態は、その中心から宇宙が展がるプロセスを図案化したもので、宇宙の構成要素が相互依存の因果関係にあり、一見別々のものとして顕れるこれらが、本質的には空であることを示しています。

また、砂曼荼羅の砂は石英質の石をすり潰したパウダー状のものが使われます。
この素材は日本では銀閣寺などの庭の砂に使われるものであり、自然の光があたると反射してきらきらとひかり美しい光沢をもっています。伝統的な砂曼荼羅はルビーなどの宝石をすり潰して作られていましたが、現在は、アクリル系の絵の具で砂を着色しています。

色鮮やかな砂曼荼羅は、非常に細かい砂の入った金属の筒にもう一つの金属の棒を擦り合わせ、台の上に少しずつ落としながら作っていきます。僧たちは、このチベットの伝統芸術を学ぶために何年も腕を鍛え技術を磨きました。制作の前後の毎朝、毎夕、声明が行われます。独特で極めて美しいギュト寺院の声明は世界的に大変有名なものです。 7月10日日曜、砂曼荼羅を崩す伝統的な儀式が行われ、砂は同日、隅田川に還されます。



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