この宇宙に普く満ちている音は
森羅万象の創造に深く関わっている
なぜ、私たち人間は、これほどまでに音楽を作り、音楽に耳を傾けずにいられないのか。
30年前、この映画に「交響曲」と名をつけたのは、あらゆる楽器がそれぞれ独自の音を奏でながらシンフォニーを奏でるように、生命体である地球のシステムもまた、ともに美しく壮大な調和の音楽を創造する、ひとつの生命のシンフォニーを奏でているようなものだからだ。
今、私たち人間は、明らかに調和を乱す不協和音を奏でている。 調和を求める宇宙の「大いなる意志」によって私たちそのものは抹消されてしまうのか、それとも新たな調和の音楽を創造することができるのか、その選択は私たち自身に委ねられている。
今こそ、私たちは耳には聴こえない“音楽”を聴く“想像力”を取り戻さなくてはならない時だと感じるのだ。
映画監督 龍村仁