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10/12中澤さん@工房

「剥がれにくいけれども、剥がしやすいニカワとは・・」

10月12日、丁寧に剥がされたその表板は、今、中澤さんの手によってその木自身の一番居心地よいフォルムに戻されようとしています。

ヴァイオリンには音を奏でる際、表板の振動を裏板に伝える大切な役目を果たす「魂柱」と言う小さな円柱形のパーツが内部に配されています。

このガルネリの場合、その魂の柱ともいえるパーツの寸法がほんの少しだけ長かったのか、表板と裏板に長年にわたり負担がかけられていた様です。その結果、表板に思わぬ圧力がかかり続けていたのです。
中澤さんは言います。

「本来なら、10年かかって反ってしまったものは10年かけて元のフォルムに戻してあげたいんですけどね、でもそうも言えないので・・・」

これからは、その表板のフォルムを時間をかけてゆっくりと元に戻していく作業が始まりました。