11/5中澤さん@工房・その2
11月5日、前回から1ヶ月ほどが経った所で、ガルネリの修復された表板を元に戻す最終作業が行われました。ニカワで、再度本体に接着されるのです。
このニカワの原料は、ブタの爪から作られるそうです。まさに植物由来の木材と、動物由来のニカワが相まってヴァイオリンは形づくられているのかもしれません。
その接着後しばらくして、中澤さんが弦を指でつま弾く音がしてきました。
弓で奏でる艶やかなものとはまったく異なる、太初の音の様に感じられるその音色を聴いて、「うん、よし!」という中澤さんの小さな一言が、ガルネリに新たな生命を吹き込む様でした。
奇しくもこの数日前、ストラディヴァリウスの音色の秘密を解明するTV番組が放送されていました。科学的な解明が進められる中、依然その何かは不明の様です。
今回、中澤さんの作業を目の当たりにして、そこには科学の目ではすぐには見えない幾重にもわたる人技の積み重ねがあることを改めて教えられた様な気がしました。