The Long and Winding Road 2014
肌寒いながらもお天気に恵まれた2月1日の第一番上映会、
今まで完成試写会を催した事はありましたが、今回のように参集殿で
ほぼ1-2カ月おきに第七番まで一挙上映というのは初めての試みです。
上映前に監督は榎木さん、スタッフ数名と共に
中島宮司の先導で正式参拝へ。
この上映会実現には20数年前から地球交響曲を支えて下さった
中島宮司と監督との御縁がありました。
監督が強い想いに突き動かされて作った第一番完成後、
とある身内関係者だけの試写会に中島宮司がいらして御覧になり、
(当時はまだ宮司に奉職される前でした)
「この映画をこれからの21世紀の明治神宮を担う神職全員に見せたい」と
仰ってくださったそうです。
完成はしたものの1年近く上映してくれる映画館がどこにもなく
お蔵入り状態になりかけていた時期のこの言葉、
「すごい勇気を与えられた」と当時を振り返り、監督は言います。
その中島宮司の呼び掛けにより集まった明治神宮の方々は
1992年初の劇場公開前に完成映画を観た、
数少ない最初の観客となって下さいました。
監督自身もシリーズになるとは思いもしなかった為
「第一番」のクレジットがない第一番に続き
第七番まで世に出た「地球交響曲」。
その間、明治神宮の存在は時折、出演者の背景となって表に姿を出す以外は
交響曲を奏でる和音の一つのように映画の根底の響きの中にありました。
そのような経緯のもと、今回、稀にみる形で実現した連続上映会でしたが
実は上映日3週間前の段階での申込人数は僅かで
当日までに人が集まるのか、との不安もありました。
けれどもボランティアの方達のご協力で
無事、当日開場前には既にお客様の列。
そして今週土曜には第二番。
19年前に第二番が公開された時、監督はスーザン・オズボーンの歌う
ビートルズの”The Long and Winding Road” を聴き、
思わず涙したそうです。
「1992年暮れに『地球交響曲』第一番の上映が始まり、
95年に第二番が完成するまでの三年間、
私は”辛い”とか”苦しい”とかいった思いを
ほとんどもたなかった。少々辛いことがあっても、その後に必ず
それをはるかに越える喜びがあると確信していたし、実際にそうであった。
だからこの三年間の『地球交響曲』の歩んだ道が
“長く曲がりくねった道”だとは思ってもみなかった。
しかし、この日王子ホールでスーザンの歌を聴き、
翌日渋谷のシネマ・ライズでスーザンが祝福のために
第二番の主題歌『アヴェ・マリア』を歌ってくれるのを聴いているうちに、
そうか、この三年間の道のりは結構”長く曲がりくねった道” だったのだ、と気づいた。
そして、”長く曲がりくねった道” だったからこそ、
素晴らしかったのだとようやく納得したのだ。」
~The Long and Winding Road~
『地球交響曲の軌跡 < 絶版> 』 より
2014年の今、第八番が生まれる過程において、
過去の作品をこの場所で振り返り
難産だった第一番の頃から支えて下さった皆様に久しぶりにお会いし
新作誕生に繋げられるという事、お客様の列を見つめる監督も
ひとしおの感慨だったでしょう。 (制作デスク 石亀)