【撮影日誌】いよいよ「第八番」の編集が始まりました。
編集室のレイアウトやモニター、編集機など、
準備に手間取ってしまいましたが、素材も一通り揃って、
ようやく監督にも編集機に触れてもらえるようになりました。
まず最初に「阿古父尉(あこぶじょう)」の能面が復活していくパートから、
編集が始まりました。
いままで撮影してきた素材を、
丁寧に見直し、じっくりと吟味しながら、
その場面に合いそうな最良の映像を取り出していきます。
作品がどのような流れに仕上がっていくかは、
編集をしていく中で徐々に見えてくるので、
ピックアップした映像を何度も見たり、
映像のバックに別のシーンの音を流してみたり、
編集中に音楽を流したりして、試行錯誤を繰り返しています。
その中でも最初に編集を始めたところ、
作品の冒頭になるかもしれないという場面で、
映像がズームしていく長さと、監督の選んだ音楽の長さが、
奇跡的にピッタリと合うということがありました。
これから始まる編集の何かの前触れではなかろうか?
編集をやっているとこういうことが起こってくる、
と、監督もその出来事にとても喜んでいました。
監督は編集をしていると、
時間が過ぎるのも忘れてしまうほど集中しています。
全体の構造から、それぞれの映像の意味、出演者の言葉、
音楽のことなど含めて、たくさんのことをイメージしているようです。
まだ始まったばかりですが、つないでいく映像がどう変わっていくのか、
楽しみにしていてください。
(助監督 池田剛)