【撮影日誌】1/20編集室にて
「カァ〜」
「おっ、なんだ?」
「カァ〜」
「なんだ?なんだ?」
「オウオウ、オウオウ」
「なんだ?おまえ」
「アウアウ、ァ〜」
「なんだ?おまえ、ワタリガラスか? 」
スタジオでの本編集に入っていた合間の日。いつも仮編集をしていた編集室にて。
監督とともに必死に編集テープを作り上げた、編集室でのクリエイティブな作業も、最終日を迎えていた。様々な教わったことがあり、これでホントに終わるのかと感慨深さを噛み締めていると、思いがけない訪問者が現れた。
編集室は13階にあるのでカラスがベランダに止まるのはよくあることだが、この日のカラスは少し様子が違っていた。何かを訴えかけるように監督に話しかけていた。私にはわからない言葉で、監督はそれに答える。しばらくやりとりが続いた後、カラスは去っていく。
そしてそれまで正確に時を刻んできたはずの、室内の時計の動きも異様であった。朝、時間が狂っていたので直す。電池がないわけではない。夕方、また時間がずれていたので直す。ただ遅れているだけ。
そしてその後、監督が時計を見ると、時間が逆回転をしている。私も目を疑った。物理的には考えられない、時間の歪みでも生じているのか?それともカラスの仕業なのか?もしくは「第八番」の何かを示唆しているのか?
そんな意味不明の出来事がありつつも、監督はナレーション用の台本を書き上げ、最終の本編集に臨みました。これがどんな意味を持つかは「第八番」が完成してからわかるのでしょうか? だとしたら尚更、完成が楽しみですね。
(助監督 池田剛)