5/30 (土)浜松上映会「樹 共通トークショー」
浜松のシネマイーラは映画館も館長もユニークでした。
館内ロビーはいくつかの本棚があり、映画関係の本がぎっしりで
館長の映画への思いがぎっしり詰まっている感じです。
上映終了後、館長が舞台へ監督を呼び込みますが、
監督にタメ口でグイグイと突っ込みます。
館長 : 第八番を観て思うのですが、神社はいいですよね~
近くに神社があり、よく行くんですよ。
監督 : そうだけど何がいいの?
館長 : う~ん、なんか落ち着くというか。
監督 : それは何故か?
(問答は続き)話しは急変して
館長 : 監督はお金持ちなんでしょ?こんなに映画作れるから。
監督 : いやいや、その正反対だよ。
NHKのときドキュメント番組「キャロル」の放送を巡り論争は続き、
懲戒免職になり、一人狭いアパート暮しとなったんだから。
館長 : 「キャロル」知ってますよ。それでも~
監督 : この映画がここまで作れてこられたのは、
この映画を観てくださる観客のみなさんがいたから。
そんなみなさんと共に奏でようと
「ひとコマ運動」が始まり、第八番まできた訳。
ところでガイアは全部観ている?
館長 : 全部は観てないんですよ。
監督 : だったら、ここで第七番から順に第一番までやってよ。
館長 : 分かりました、監督。
この後、サイン会を終え、監督はタバコも喫う間も無く次の会場へ。
地元・天竜で林業に携わる二人とのトークセッションに入りました。
林業12代目の30代後半と見える方が、「第八番冒頭の伐採シーンと
禊殿の扉の音にはびっくり。まだどんな意味なのか分かりませんが。」
監督から「人間は木を切る生き物だ。」と言うところから始まりました。
しかし100人近い方々とあっという間の1時間でした。
最後に司会者から林業のお二人に
「たとえ明日、世界が終わりになろうとも、今日私は、リンゴの樹を植える。」
この言葉を聞いてどう思いましたか? と投げ掛けられました。
「素直に樹木を育てることを伝えてゆきたいと思っていますが、
例えば自分の子どもに林業を伝え、引き継がせたいと思っても、
樹木を直ぐに引き渡せる訳ではありません。
今から100年後、150年後の成長した樹木のことをイメージして
伝えることの難しさを感じます。しかし伝えてゆきたいです。」
トークセッションを終えて、今日の出会いに感謝し、
第八番の100日後、150日後をイメージすると
第八番の英語版を作ることかなと思いました。
( 第八番 制作プロデューサー・恩田映三 )