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「第一番」の中でダフニーがエレナと会うシーンは
今でも皆さんより「感動しました」という声がたくさん寄せられ、
私にとっても忘れ難い想い出の場面だ。

彼方を見つめながら「エレナ!エレナ!」と呼ぶダフニー。
しかし、その声が聴こえたからエレナが出てきたわけではない。
ロケに出発する前、四国ほどの広大な土地のどこかにいるエレナに出会う事なんてできるのか、と危惧する私達にダフニーは言った。「私が行く事をエレナは既に知っています」
その言葉通り、あの場所に到着すると彼女は何も言わず、エレナが来る事を確信してただ待っていた。けれどそこで立っている姿だけでは映画として “画(え)にならない“ 。
そこで私はダフニーに「エレナと呼んで下さい」と頼んだ。つまり、あの「エレナ!」と呼びかけるシーンは「見えないものを見、聴こえないものを聴く」ための“やらせ”でもあったのだ。そしてなぜあの場面で「蝶々夫人」なのか。
そんな質問をシャーリー・マクレーンからも受けた。理屈ではない。
想うことによるエネルギー、波動、が確実につながり、そして異次元のものが出会う。そんな世界が確かにあるのだ。その後何度も出会うことになるあの体感、そんな時空間の中に確かに私もいた。今でもあの時の事を想うと感謝の気持ちしかない。
ありがとう、ダフニー。

(2018年4月16日 ダフニー訃報に接して)