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ラヴィ・シャンカールの逝去に寄せて

昨日(12月16日)の選挙の結果は、私達日本人の日常意識の地平をよく現わしていたと思いました。
映画「地球交響曲」のお役目は、まだまだ終われないな、と痛感しました。

さて、以下の文章は、12月12日に亡くなった、第六番の出演者、ラヴィ・シャンカールへの、感謝の想いを込めて書いた文章です。

ありがとうババジ(ラヴィ)!又お会いしましょう。



昨日(12月12日)、ラヴィ・シャンカールの訃報を聞き、深夜ひとりで、久し振りに「第六番」のラヴィ・シャンカール篇を見直してみました。
不思議なことですが、フツフツと勇気が湧いて来ました。
おそらく、「第六番」は、生前の元気なラヴィの姿をインドのご自宅で撮影した、世界でも最後の映画となるでしょう。


86歳になっても、数千年に渡って受け継がれて来たインド音楽の魂を、63歳の時、奇跡のように授かった娘、アヌーシュカを通して未来の世代に受け渡そうとするラヴィの情熱と愛に、深い悲しみと共に、さわやかな勇気を与えられたのです。

今朝の東京は、雲ひとつなく、済み渡った青空の下、身を切るような冷たい北風が吹き荒ぶ朝でした。自転車で事務所に向かう途上、神宮外苑の並木道で、まるで満艦色の吹雪の様に降り注ぐ、赤、黄、茶の落葉を身に浴びながら、こんなことを想いました。

今こそ、もう一度「第六番」を皆様に見ていただきたい。

「全ての存在は、時空を超えて響き合っている」

「音は神なり」Nada Brahma ラヴィ・シャンカール
「自ずと然る」Not Perform, But Reveal ケリー・ヨスト
「美が世界を救う」Beauty will save the world ロジャー・ペイン

なぜ、今「第六番」なのかは、こちらをご覧ください
この文章は、2006年「第六番」の上映開始に当たって、パンフレットの前文として書いたものです。ちょっと長いですが、ゆっくりと読んで下さい。

2013年の春からは「第六番」の再上映活動も始めたいと思っています。この活動は必ず、新たなる作品「第八番」の制作に繋がってゆくと信じます。

2012年 12月17日  龍村 仁