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モーツァルト+1シリーズ vol4  

先日、中澤きみ子さんのコンサートにご招待いただき、

鑑賞してまいりました。ありがとうございます。

僕は以前、クレモナでヴァイオリン職人さんを追いかけて

撮影していましたが、ストラディバリウスのヴァイオリンに

出会う機会はほとんどなく、今回きみ子さんのダ・ヴィンチで初めて

その音を耳にすることになりました。

生のヴァイオリンの音を聴くにしては、距離のあるホールの後方に

座っていましたが、それでもなんとなく高域の音が

美しく聞こえてきたように思えたのは、楽器の力はもちろん、

僕の大好きなモーツァルトの曲が心地よく感じる事ができたから。

そして何よりもきみ子さんが奏でる音色が胸に届いていたからでしょう。

ヴァイオリンとチェロとピアノのトリオでの演奏でしたが、

軽快なハーモニーが絶妙な掛け合いで、

見事にはまったコラボレーションでした。

これだけ自然で違和感のない旋律に酔いしれていた僕に、

ふと訪れる静寂。

「次の曲では、拍手は遠慮させて頂きます」

きみ子さんの深い祈りと共に「津波ヴァイオリン」を手に奏でられた、

シューベルトの『アヴェ・マリア』

ストラディバリウスから変わった音色に反応した鼓膜に、

重厚な音と雰囲気が別の感情を呼び起こしました。

すべてがバラバラのようでいて、

音楽というキーワードで繋がっているすべてが、

調和でまとまっている事に気付かされました。

今年はホントに希望に満ちあふれているように思います。

バラバラのような題材や、出演者、スタッフが集まった作品。

僕もその中に関わる事によって奏でられる「交響曲」

みんなの善し悪しが複雑に絡み合いながらも、

お互いが支えあっていける環境を、

監督と言う指揮者のもとに作り上げられている。

そんな事に感謝しながらも、

新作のメッセージを早く皆さんと共有できるよう、

お手伝いをしてきたいです。

美しい音色と想いが届けられた、

素敵なコンサートをありがとうございました。 (助監督 池田剛)